朝の蜘蛛、夜の蜘蛛。殺生してはいけないのはどちらだったか。
ある日、突然、玄関の照明部分に大きな蜘蛛の巣ができていた。
帰宅時目に入ったのは、外灯に照らされた大きな大きな蜘蛛の巣。
そうはいってもこのサイズはなかなかの大きさ。
蜘蛛は益虫というけれども、毎日目にするのはちょっとキツイ・・
巣自体というより、そこに捕らえられた虫たちが増えていくことが気にかかる。
光に集まる羽虫たちが外灯に集合することを蜘蛛は理解して
巣をつくったんだろうなぁ、と感心はすれどやはり困る。
どうやら巣を作った主は不在。
やるなら今だ。
長い棒なんて持ってたかな・・
家の中をぐるりとみまわし、使えそうなもの発見。クイックルワイパーの持ち手!
気づいてからは早かった。
キッチンペーパーを柄の先にガムテープで留めて準備完了!
玄関から外に出ると、巻き取るようにくるくると蜘蛛の巣を回収。
これでひとまず安心、か。
せっかく作った巣を撤去してごめんな、と姿の見えない主に謝る。
次の日、さて出勤だ!と勢いよくドアを開けると、すがすがしい空の手前に見えるは立派なクモの巣。
そして巣を生成したであろう黒々とした主の姿。
昨日蜘蛛の巣取り去ったのは幻・・?
取り去ろうにも時間がない。そして主がいる。
気になってしょうがないけれど仕事に行かなければ。
仕事中思い出すことはなかった。
帰路につきながら、住まいが近づくにつれてそういえば、と思い出す。
幼い頃、自宅に蜘蛛が出ると祖母が殺生するかどうか判断していた。
「朝の蜘蛛だから~」「夜の蜘蛛は~」
どちらかは縁起が良くて、どちらかは縁起が悪い。
どちらがどちらだったのか、記憶が曖昧でわからない。
そんな時はgoogle先生に聞けばいいじゃないか!
いくつかの記事を見てみると、
・朝の蜘蛛 → 縁起が良い
・夜の蜘蛛 → 縁起が悪い
という意見が多数。
記事を漁ると、末広がりの8本足を持つ蜘蛛が巣を張ること自体が吉事。なので朝でも夜でも殺生はダメ!という意見もあったり。
ただ、大多数の意見らしいものを尊重する。
縁起がいいのは朝の蜘蛛で、縁起が悪いのが夜の蜘蛛ね!
というわけで、迷信はわりと信じるほうで。
出現する時間帯で殺すかどうか決められる蜘蛛もたまったものではないんじゃないか、と思いもしたけれど。
帰宅時、外灯に照らされて大きな蜘蛛の巣はキラキラ輝いてみえる。
小さな羽虫が一匹捕らえられている。
さて、夜の蜘蛛だ。主はいない。やるなら今だ。
撤去させていただく!!!
1度目と同じ方法でくるくると蜘蛛の巣を巻き取る。
一生懸命張ったであろう巣をなかったことにしてごめんな・・
という申し訳なさを感じないわけではなかったけれど。
毎日獲物がここにかかっていく様を観察するほど寛大な心はない。
蜘蛛は一度巣を張った場所にまた巣をつくるという。
2度も撤去された場所に3度目つくることはない!と思いたい!
そういえば、蜘蛛の巣を撤去した次の日、玄関の内側に小さな蜘蛛が入り込んでいた。あの主の子だろうか。
大量に発生したら困るけれど、たまに姿を見せる小さな蜘蛛とは現在共生中。